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Title
仕掛人・藤枝梅安2
2023.4.7公開
日本映画
Staff
監督/河毛俊作
エグゼクティブプロデューサー/宮川朋之
Cast
藤枝梅安:豊川悦司
彦次郎:片岡愛之助
おもん:菅野美穂
与助:小野了
おせき:高畑淳子
津山悦堂:小林薫
佐々木八蔵:一ノ瀬颯
井坂惣市/峯山又十郎:椎名桔平
井上半十郎:佐藤浩市
Story
「仕掛人・藤枝梅安」シリーズ第2弾。
京への旅路の途中で出くわした彦次郎の宿敵・井坂惣市との壮絶な戦いが始まります。
若き日に愛する妻と一人息子を喪ったのはこの暴漢のせいだったのです。
井坂は浪人を率いて京の町を恐怖と殺戮の都へと突き落としていた悪人でした。
妻と子の敵を討つべく立ち上がった彦次郎を助ける梅安。その梅安も正体不明の二人の浪人に付け狙われることになってしまいます。
複雑に絡み合った怨恨で揺れる梅安と彦次郎の静かなる京への旅は、予断を許さない状況へと転がり落ちるのでした。
おどろおどろしい仕掛人と闇にうごめく悪との対決は、人の世の醜さと儚さを教えてくれているようですね。
Title
AIR エア
2023.4.7公開
アメリ映画
Staff
監督/ベン・アフレック
製作/デビッド・エリソン他
Cast
ソニー・ヴァッカロ:マット・デイモン
フィル・ナイト:ベン・アフレック
ロブ・ストラッサー:ジェイソン・ベイトマン
デビッド・フォーク:クリス・メッシーナ
ピーター・ムーア:マシュー・マー
ジョージ・ラベリング:マーロン・ウェイアンズ
Story
マイケル・ジョーダンがナイキと「エア・ジョーダン」の専属契約を結ぶまでを描いた作品。
業界の裏表を知ることができる貴重な経験になりました。
バスケットボール部門の立て直しを賭けて暗躍するソニーは(自称(^^♪)敏腕マーケッター。
当時のナイキはバスケットボールシューズ分野では、コンバース・アディダスといった有名メーカーにかなり遅れを取っていた存在でした。
CEOのナイトから新しいスターを発掘する指令を受けたソニーは、大型新人であるジョーダンを見出します。
彼の試合を研究し、今なら格安で雇える逸材として獲得を決め、ジョーダンの実家に行き、両親を交えて交渉します。
ナイキのバイスプレジデントのハワード・ホワイトの協力もあり、ジョーダン採用が現実味を帯びていき、契約の段階まで進みます。
さあ、ここからはさらなる「駆け引き」が重要なポイントになってきます。ジョーダンの母・デロリスを味方につけたソニーの奮闘が楽しみですね。
Title
メグレと若い女の死
2023.3.17公開
フランス映画
Staff
監督/パトリス・ルコント
製作/ジャン=ルイ・リビ
Cast
メグレ:ジェラール・ドパルデュー
ベティ:ジャド・ラベスト
ジャニーヌ:メラニー・ベルニエ
ヴァロア夫人:オーロール・クレマン
Story
ジョルジュ・シムノンのミステリー小説の映画化。
冒頭で白いシルクのドレスを試着する若い女性の様子が映し出されます。
どことなく不安げで、これから夜のパーティに出掛けるにしては不穏な空気が漂います。
はたして、彼女はどこに行こうとしているのか?
憶測が勝手にふくらんでいきます(^^♪
1953年のパリ。
モンマルトル・バンティミー広場で無残な女性の死体が発見されました。
現場に赴いたメグレ警視は、彼女の身元をまず確認する必要に迫られます。
同時に死因の追求にも労力を割かれます。現代と違い、一つひとつ自分の足で証拠固めをしていかなければならない時代的なものを感じさせますよね。
やがて、死因は刺殺ではなく、別の場所で殺害され、遺体をここに運んできたことが判明します。
では、この高価なドレスをまとった女性はどこで殺害されたのか?
人間関係が絡む事件であることが明らかになり、彼女の交友関係に焦点が絞られていくのです。
ニースというパリから見れば地方出身と思われるこの魅力的な女性の秘密に、メグレ警視の鋭いメスが入ります。
当時のパリの様子や社交界の華やかさにも目を見張るものがあり、とても魅力的な1本です💚
小説「メグレ警視」シリーズはある程度読んでいるので、懐かしい気持ちで観に行きました♪♪
そして、久々のジェラール・ドパルデューの登場にホッとしました。
Title
生きる LIVING
2023.3.31公開
イギリス映画
Staff
監督/オリバー・ハーマナス
製作/スティーブン・ウーリー他
Cast
ウィリアムズ:ビル・ナイ
マーガレット:エイミー・ルー・ウッド
ピーター:アレックス・シャープ
サザーランド:トム・バーク
Story
第二次世界大戦も終わり、徐々に日常を取り戻していったロンドンの役所で実直に働くウィリアムズが、自分の死に直面した時なにを想うのでしょうか。
絵に描いたような面白みのない公務員として生きてきた彼が満たされない心の奥底を顧み、自分の人生を縛ってきた「固定概念」を覆し、真に「生きる」ことを決意するのです。
澱んだ役所を離れ、かつてない自由を満喫するかのような解放された日々を選んだものの、心は満たされないままでした。
私生活に変化をもたらすことが不可能ならば、仕事の場で自己実現に軸足を移す孤独な生きざまを見せてくれます。
さて、役所に地域の問題を抱えた女性たちが陳情にやってきます。荒廃して危険な地域を子どもたちの遊び場に代えてほしいという申し立てでした。実はこれ以前にも同じ案件で役所に相談にきた彼女たちでしたが、行政の関わり方はもうひとつだったそうで、再度の申請に赴いたということでした。
こういうところで国内外を問わず、役所側の「見て見ぬフリ作戦(^^♪」が発覚することになります。まさに「たらい回し」が横行していたのですね。
これまでの生き方から回心したウィリアムズは、これこそ今自分が取りかかる最後の正しい仕事だと気づきます。現場に足を運び、役所の姿勢を正し、進んで地域の要望に応えようとしていくのです。
人は追い詰められた時にこそ、本当の価値に気づくのかもしれません。
こうして最後の灯をともすように価値ある仕事に邁進するウィリアムズの悲哀は役所という厳格な世界を変えていく原動力になり得るのでしょうか?
Title
エスター ファースト・キル
2023.3.31公開
アメリ映画
Staff
監督/ウィリアム・ブレント・ベル
製作/アレックス・メイス他
Cast
エスター/リーナ:イザベル・ファーマン
トリシア・オルブライト:ジュリア・スタイルズ
アレン・オルブライト:ロッシフ・サザーランド
グンナー・オルブライト:マシュー・アーロン・フィンラン
ドナン刑事:ヒロ・カナガワ
Story
成長ホルモン委譲により、見た目は少女のリーナ。しかし、その裏側には狂暴性を秘めていました。
精神病院に収監されていたリーナはそこを抜け出し、まんまと別人に成りすますことに成功。行方不明となっている少女・エスターとしてアメリカ・コネチカット州の富豪の豪邸に迎え入れられます。
一見平穏な家族に見えるオルブライト家では、密かな疑念が醸成していきます。
優しい両親と兄に囲まれたリーナは当家の娘エスターとしての新しい生活になじめるのでしょうか?
自分が歓迎されているのか、そうでないのかすら不明なまま、比較的親密感を与えてくれる父親を慕うようになりますが、それを快く思わない母親のトリシア。
さらに、兄のアレンからは敵意すら感じられるのでしたが、リーナにはここで生きるしか選択肢はありません。
本物のエスターの失踪事件を担当していたドナン刑事が家族の様子を見に現れ、リーナの危険度が増していきます。
他人になりすますといった大胆不敵なリーナが、自分の立場を守るためにやらなければならないこととは・・・
リーナという女性の哀しさが浮き彫りになる本作は私たちに「善悪」の判断を委ねているのかもしれませんね。
トリシア役はジュリア・スタイルズ。成熟味を増したジュリアに会えるのは嬉しいものです。
Title
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り
2023.3.31公開
アメリ映画
Staff
監督/ジョナサン・ゴールドスタイン
製作/ジェレミー・ラッチャム他
Cast
エドガン:クリス・パイン
ホルガ:ミシェル・ロドリゲス
サイモン:ジャスティス・スミス
ドリック:ソフィア・リリス
ゼンタ:レゲ=ジャン・ペイジ
キーラ:クロエ・コールマン
フォージ:ヒュー・グラント
ソフィーナ:デイジー・ヘッド
ザス・タム:イアン・ハンモア
Story
フォーゴトン・レルムというモンスターたちがうごめく中世ヨーロッパ風の世界。
盗賊であるエドガンは、相棒のホルガに加え新たな仲間を引き連れ、かつての友人フォージに捕らわれている娘キーラを取り戻す旅に出ます。
異世界ダンジョンでの幾多の多難を乗り越え、たどり着いたフォージの帝国で愛する娘と対面します。
自分の世話をしてくれるフォージを悪人とは知らないキーラは、フォージに対するエドガンの話を信じられずに困惑するばかりでした。
本当の巨大悪であるフォージを倒すことが使命となったエドガンと、仲間たちの死闘は壮絶を極めていきます。
主役のエドガンにクリス・パイン。相棒のホルガにはミシェル・ロドリゲスって最高の組み合わせじゃないですか?
両者とも売れっ子俳優ですし、どんな役もこなせる頼もしい人たちですよね。
また、悪人フォージを、あのヒュー・グラントが演じていて楽しさ倍増!!
ヒューの悪役って、最高に憎らしいけど、どこか滑稽さもありますよね(^^♪
Title
シング・フォー・ミー・ライル
2023.3.24公開
アメリ映画
Staff
監督/ウィル・スペック他
製作/ハッチ・パーカー他
Cast
ライル(声):ショーン・メンデス
ジョシュ・プリム:ウィンズロウ・フェグリー
ミスター・プリム:スクート・マクネイリー
ミセス・プリム:コンスタンス・ウー
ヘクター・P・ヴァレンティ:ハビエル・バルデム
グランプス氏:ブレット・ゲルマン
Story
郊外からニューヨークへと引っ越してきたジョシュ一家が遭遇したのは、その家に潜むワニのライルでした。
実は、その家はショーマンのヘクターがライルと暮らしていた家だったのです。
売れないヘクターは、とあるペットショップで子どもだったライルを見出し歌を教え込み、いざステージで本番!となったところで、緊張感から声が出せなくなったライルを置いて家を出てしまったのでした。
新しい学校に通い始めたジョシュは同級生になじめず孤独を感じていましたが、屋根裏で出会ったライルと仲良しになることで本来の自分を取り戻していきます。
ライルの愛らしさが日本でも大評判になりましたよね(^^♪
特に歌(吹替含む)が大ヒットしました!
ショーン・メンデスの歌も最高でしたが、吹替版で歌った大泉洋さんの歌が抜群の上手さでした💚
映画館の予告編で何度も聴いているうちに「吹替版の歌は誰が歌っているんだろう?」って思っていたところ、ネットでも大泉洋さんの歌の評判が爆上がりだったので、私もその軽快な歌声に夢中になりました。
字幕版と吹替版を両方とも観て、良かったのは大泉洋さんの歌でした♪♪
それと、なんと言ってもヘクター役のハビエル・バルデムが凄く上手い!!
「ノーカントリー」での怪演が脳裏を去らない強烈な記憶として残っているので、この作品のような明るく楽しいキャラクターがとっても新鮮でした!!
最近のバルデム、楽しい(^^♪
Title
KG200 ナチス爆撃航空団
2023.3.3公開
アメリカ映画
Staff
監督/マイケル・B・チャイト
製作/スー・ウィザム他
Cast
デイビッド・ホールデン大尉:ジェームズ・マズロー
モーリヒ・ロス大佐:トレバー・ドノバン
クリーガー大佐:ジョン・ターク
ロルフ・ウェルナー大尉:マイケル・ウェイン・フォスター
ジャック・レイノルズ大尉:ジョン・ウェルズ
Story
第二次世界大戦真っ只中の1944年。ナチスに占領されていたフランス上空。
ドイツ空軍秘密部隊との戦いで、B-17爆撃機の護衛任務中のアメリカ空軍パイロットのホールデン大尉が、ドイツ軍第200爆撃航空団/KG200に捕らえられているクルー救出に向かいます。
そこで見たものは、ナチスのロンドン空爆計画でした。
味方の爆撃機を護衛任務中に接近してきたのは、ナチス・ドイツ第200爆撃航空団のロス兄弟だったのです。英軍の機体を鹵獲し、味方である連合軍のものに見せかけ、奇襲攻撃を仕掛けてきたロス兄弟のうち1機を撃墜し、ホールデンは森の中に不時着してしまいます。
ここから地獄のサバイバル合戦が始まります。ホールデンが護衛していた3-17爆撃機のクルーたちはドイツ軍に捕まり、監禁されてしまいます。
彼らを救出するために命を賭けたホールデンに、弟を殺され復讐に燃えたロスが執拗に攻撃を仕掛けてくるのです。
敵軍の戦闘機を鹵獲し精密に調べ上げ、自軍のために利用するやり方は今も昔も変わらない戦術なんですね(~_~;)
Title
いつかの君にもわかること
2023.2.17公開
イタリア・ルーマニア・イギリス合作
Staff
監督/ウベルト・パゾリーニ
製作/ウベルト・パゾリーニ他
Cast
ジョン:ジェームズ・ノートン
マイケル:ダニエル・ラモント
ショーナ:アイリーン・オヒギンズ
Story
ジョンは窓掃除職人で、ひとりで4歳の息子マイケルを育てています。
そんな父子に悲劇が襲いかかります。ジョンが余命わずかであることが判明したのでした。
マイケルの母親は故郷のロシアに帰ったままで、ジョンの死後はマイケルの世話をする人はいなくなります。そんな絶望的な現実にジョンは正面から立ち向かう決心をしました。
マイケルが育つのに理想的な家庭を探すことでした。
余命わずかであるため、早急に里親を見つける必要に迫られたジョンはマイケルを伴い、ショーシャルワーカーと共に、いくつかの家庭を訪問していきます。
そんなジョンの真意に気づいているのかいないのか判然としないマイケルの反応を見ながらの家庭訪問は、苦しかったに違いありませんね。
自分がいなくなってからの息子の人生に関わる里親と、その家族とを選ぶ非情さには胸が詰まりました。
しかし、感傷的なことを言っている暇はありません。マイケルが安心して落ち着ける先をどうしてもみつけないと死ぬわけにいかないからでした。
やがてジョンは「何がマイケルを幸せにするのか?」という避けがたい現実に突き当たります。
里親候補の経済的な面だけでなく、兄弟姉妹となるこどもたちとの相性や里親の教育方針などの家庭環境はもちろんですが、なによりも大切なのは、マイケルを受け入れる気持ちが「純粋であること」に気付いていきます。
無垢な目で、残り少ない父子ふたりだけの日々に子どもらしい態度で接してくれる幼いマイケルを見守るジョンの心境は図り知れません。
ジョンを演じているジェームズ・ノートンは私の好きな俳優です。いろいろな作品に出演していますが、私に強いインパクトを与えたのは、2020年8月日本公開作「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」です。
厳寒のウクライナで起こっている悲惨な実態を目の当たりにしたジャーナリストを演じました。憂いを秘めたジェームズの風貌も相まって、陰惨さが際立っていました。
こんな役柄にも果敢に挑む彼に俳優としての気概を感じたものです。
でも、この作品ではごく普通の男性&父親を好演しています。そのギャップが新鮮でした。
アレックとの生活に嫌気がさしたテスは、身ごもったまま実家へと舞い戻り出産しますが、幼い我が子はあっというまに死んでしまいます。
生まれ育った村だからこその周囲の視線にさらされたテスは、再び誰も知る人のいない農場に雇ってもらいます。
苦しい農作業をこなしながらも、理解ある雇い主や同僚たちとの楽しい日々がテスの心身の回復を促してくれました。
ある日、農場を通りかかった進歩的な若者エンジェルと出会い、心から愛するようになります。
やがて、2人は結婚までたどり着き、新婚旅行先のエンジェルの別荘にやってきますが、互いの秘密を打ち明け合う流れに…
バカ正直に告白したテスの過去は、エンジェルを深く傷つけます。やっとつかんだ幸せが指の間からすべり落ち、自分の元から去ったエンジェルへの未練を残しながら、テスはまたもや人生の荒波にもまれる運命へと突き落とされてしまいます。
この映画は今回初めて観ることになりました。人気の高い作品だと知ってはいましたが、観る機会がないままに過ぎてきたのでした(*'▽')
「観て良かった!!」と思いました💙💛💚
こんなに素晴らしい作品だとは思わず、スルーしてきたことが悔やまれます。
Title
テス/4Kリマスター版
2023.1.6公開
フランス・イギリス合作
Staff
監督/ロマン・ポランスキー
製作/クロード・ベリ
Cast
テス:ナスターシャ・キンスキー
エンジェル:ピーター・ファース
アレック:リー・ローソン
ダービフィールド:ジョン・コリン
ダービフィールド夫人:ローズマリー・マーティン
マリアン:キャロリン・ピックルズ
Story
1980年10月日本初公開作品。
その美しい容姿で周囲の視線を集めてしまう若きテスは外見とは違い、貞淑な少女でした。
19世紀末、イギリス・ドーセット地方が舞台。豊かな自然、それと対比する人間の欲望と階級制度が背景となり、長年称賛の対象となってきた「名作」です。
子だくさんの家に生まれたテスは働き者で、苦しい家計を助ける毎日でした。父親はろくに収入もなく、酒屋で「ウチの家は貴族の家系だ」と愚痴るしか能がありません。
テスは遠い親戚であるダービフィールド屋敷で奉公していましたが、息子のアレックの愛人にされ、妊娠までもしてしまいます。
Title
コンベティション
2023.3.17公開
スペイン・アルゼンチン合作
Staff
監督/ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン
製作/ハウメ・ロウレス
Cast
ローラ・クエバス:ペネロペ・クルス
フェリックス・リベロ:アントニオ・バンデラス
イバン・トレス:オスカル・マルティネス
Story
老境に差し掛かった大富豪が思いついた「傑作を世に残す」という決断は『映画』を撮るというものでした(^-^)
そこで、監督として選んだのは、受賞経歴も華やかなローラ。彼女が主役に選んだのは有名な映画俳優のフェリックスと、舞台俳優のイバンです。
それぞれがその分野での成功を収める実力者のふたり。当然主権争いが勃発します。
どちらも「負けられない!」という強い意識が邪魔をして、互いの足を引っ張り合い、ついには行くところまで行く、という恐ろしいことが…
ペネロペ演じるローラが、独自な手法で撮影を進めていく過程は興味深いのですが、肝心の『内容』はというと「兄弟/ライバル」という曖昧なもの…
兄弟間の葛藤?などが描かれるはずでしょうけれど、この作品はそこまでは明らかにされません(^-^)
資金を出す大富豪でさえ、側近から「で、何の映画を撮るのですか?」と聞かれると「わしは知らん!」と自信たっぷりに速答します。
まさに、製作側に丸投げ状態ですね♪♪
芸術性も情熱も持ち合わせていない出資者と、新進の女性監督・2人の大スターの競演が幕を開けます。そこには、主役2人の演技のメソッド、途方もないプライド、傲慢な態度など、本来映画作りとは関係ない無謀状態が吹き荒れます。
「映画製作の現場なんてこんなものかも?」と思わせる混沌さはおかしくもあり、悲壮感漂うエンターテインメントの醍醐味が味わえます。
Title
ゴッホ「ひまわり」に隠された謎
2023.3.10公開
イギリス映画
Staff
監督/デビッド・ビッカースタッフ
Story
『アート・オン・スクリーン season 3』の1作。
今なお高い人気を誇る永遠の画家ゴッホ。
「ひまわり」は彼の代表作と言われています。写実的には描かれていないゴッホの「ひまわり」がなぜこんなにも人々の心を惹きつけるのでしょうか?
”ひまわり”は夏の象徴ですよね。明るく燦燦と輝く南仏のアルルをこよなく愛したゴッホにとってそれは、自分の心を映す鏡のような存在だったのかもしれません。
陽光あふれる南仏に移住し、自然を思い切り描いた彼は幸せだったと思いたいですね。
しかし、その裏では、敬愛する画家仲間ゴーギャンに去られ、自滅の道をひた走るゴッホの姿という痛々しいものがありました。
「ひまわり」は7点描かれ、それを所蔵する世界中の美術館への旅が描かれています。
ゴッホほど、その精神を分析される画家はいないように思われます。
「悲劇の画家」などと称されるゴッホの内面性と画風は、まさにゴッホの人生そのものと言えるでしょう。
若い頃から周囲との軋轢を繰り返し、挫折を味わい続けた彼の生涯を彩る作品群は、どこか浮世離れした感があります。
「現実よりも、自分の見たまま、自分に見えたままを描く」ことを信念としていたような彼の筆さばきからは、痛々しさと純粋さが感じられ、別の次元の存在までもが浮き上がってきませんか?
Title
シャザム! 神々の怒り
2023.3.17公開
アメリカ映画
Staff
監督/デビッド・サンドバーグ
製作/ピーター・サフラン
Cast
シャザム:ザカリー・リーバイ
ビリー・バットソン:アッシャー・エンジェル
フレディ・フリーマン:ジャック・ディラン・グレイザー
スーパーフレディ:アダム・ブロディ
スーパーユージーン:ロス・バトラー
スーパーダーラ:ミーガン・グッド
ヘスペラ:ヘレン・ミレン
カリプソ:ルーシー・リュー
アンテア:レイチェル・ゼグラー
ワンダー・ウーマン:ガル・ガドット
Story
ビリーという少年が「シャザム!」と叫ぶと大人のヒーローの大変身!!という作品の続編。
里親に育てられているビリーはその兄弟たちとともに、悪の権化である神話の「アトラス」の娘ヘスペラとカリプソとの戦いに挑みます。
ギリシャのアクロポリス博物館に押し入った彼女たちは「魔術師の魔法の杖」と奪還し、シャザム一行の前に現れたのです。
一方、転校したばかりの魅力的なアンと仲良くなったいじめられっ子のフレディでしたが、そのアンの正体はアトラスの娘/三姉妹の三女だったのです。彼女たちの目的は、魔術師が隠し持つ生命の種を手に入れ、太古から続く神々の世界の再建でした。
特に長女ヘスペラと次女カリプスの悪意と破壊力は比類なく、自分たちの目的達成のためにはどんな犠牲もいとわない残酷さがありました。
ビリーたちの危機が迫り、ビリーたち兄弟とアトラスの娘たちとの壮絶な争いに巻き込まれていきます。
Title
The Son 息子
2023.3.17公開
イギリス映画
Staff
監督/フロリアン・ゼレール
製作/ジョアナ・ローリー
Cast
ピーター:ヒュー・ジャックマン
ケイト:ローラ・ダーン
ベス:バネッサ・カービー
ニコラス:ゼン・マクグラス
ピーターの父:アンソニー・ホプキンス
Story
不登校という問題を抱えているニコラスは、離れて暮らす父ピーターの家にやってきます。
転校し、新しい高校に通い始めますが、再び不登校になったことを新しい家族には隠していました。
成功したピーターとの生活には一見何の不自由もないように見えますが、その日常の裏に隠された問題とは?
ニコラスはピーターを心から慕っているように映りますが、どこかに暗い影が差します。
ピーターはなにげない動作・行動からニコラスの不安を感知し、どうにか彼を理解しようとしますが、すれ違うばかり。
母親のケイトと離れることで、自分の新しい可能性を探ろうとするかのようなニコラスの前向きな姿勢が垣間見えるシーンもあるのですが、新しい家にはピーターの後妻と赤ちゃんの存在が厳然と立ちはだかっているのでした。
ピーターと2人暮らしだったらもっと父子の交流もスムーズにいくはずが、残念ながら「第三者」のベスとピーターが愛する赤ちゃんが阻んでしまうのですね(~_~;)
しかも、ベスはピーターを奪った憎い「敵」でもあったようです。
ニコラスは、ピーターに未練を持つと思われるケイトの心中を考え、できれば元サヤに収まる儚い希望を抱いていたのかもしれません。
しかし、ピーターの再婚という歯車はすでに回り始めています。ニコラスの力ではピーターを取り戻すことはできそうもありません。
幼い頃海に行き、ピーターと思い切り遊んだ思い出が繰り返し流れます。ニコラスの心情をよく表しているように思えます。
非力な自分を自覚したニコラスが表面的に新しい家族と仲良くしようとすればするほど、その心の痛みは増すばかりだと感じました。
繊細なだけに、終わりのない哀しみと苦しみに悶え続けるニコラスの明るい将来を願う私でした。
ヒュー・ジャックマンの真剣な演技、ニコラス役のゼン・マクグラス君の哀しみを宿した表情がすべてを語っていました。
Title
マジック・マイク ラストダンス
2023.3.3公開
アメリカ映画
Staff
監督/スティーブン・ソダーバーグ
製作/ニック・ウェクスラー他
Cast
マイク・レーン:チャニング・テイタム
マクサンドラ・メンドーザ:サルマ・ハエック・ピノー
ビクター:アユブ・ハーン=ディン
ゼイディ・ラディガン:ジェメリア・ジョージ
ウッディ:イーサン・ローレンス
ハンナ:ジュリエット・モタメッド
Story
「マジック・マイク」シリーズの最終章。
現在はバーテンとして生計を立てざるを得ない状況に甘んじているマイクは、絶大な人気を誇った元ストリップダンサー。
富豪のマクサンドラがマイクの前に現れたことで、思いがけない転機が訪れます。
彼女の依頼。それは一夜だけのストリップショーを成功させたいというものでした。
2人でロンドンに乗り込み、ショーの出演者選びもなんとかこなし、自分の再起を賭けた戦いが始まるのです。
裕福を絵に描いたようなマクサンドラも家庭の事情を抱えているようで、娘も巻き込んでの斬新なショーは成功するのでしょうか?
チャニングのダンスの上手さは聞いていましたが、これほど魅力的だとは知りませんでした(*'▽')
ロンドンに発つ前のマクサンドラとの情熱的なダンスシーンには誰もがしびれてしまうはず・・・
「チャニング、恐るべし!!」
男性ストリップの格上げに貢献した彼の手腕にも拍手!ですね💚
Title
ピサロ 印象派の父
2023.3.3公開
イギリス映画
Staff
監督/デビッド・ビッカースタッフ
Story
映画館でのドキュメンタリー公開の1作。
1870年代から頭角を表してきた芸術の新しい形態である「印象派」を代表する画家のひとり。
モネやルノワール、セザンヌ、シスレーなどのように、ものごとの輪郭を消し去り、自由な発想に基づき光の変化する様子など、繊細さの表現にこだわりました。
柔らかいタッチで描かれた彼らの画風は、それまでの厳格さを強調した「芸術アカデミー」から意図的に距離を置いていきます。
特に風景画を愛し、庶民を題材とした自然回帰の画家の集まりは、ひとつのムーブメントを形成していきます。
すなわち、アカデミーが支配する「サロン」に入選できなくても、自分たちの新しい画風に命を与えていったのです。
彼らは「印象派展」を何度か開催するも、あまりにも多様化が進んだことで、開催は惜しくも8回で終わりを迎えます。全ての回に出展したのはピサロだけだったと言われています。
古い体質と、それを壊そうとする新しい息吹が吹き荒れた「激動の時代」のフランス「印象派」。
彼らが新しい価値を見出し、発展させたことで今日の私たちが恩恵を受けることになったということですね(^-^)
Title
オットーという男
2023.3.10公開
アメリカ映画
Staff
監督/マーク・フォースター
製作/フレドリク・ビークストレム・ニカストロ他
Cast
オットー・アンダーソン:トム・ハンクス
マリソル:マリアナ・トレビーニョ
トミー:マヌエル・ガルシア=ルルフォ
ソーニャ:レイチェル・ケラー
青年時代のオットー:トルーマン・ハンクス
Story
頑固で人への理解も乏しく、四角四面でないと我慢できないちょっと「困った人」のオットー。
そんな彼の近所に引っ越してきたのは、陽気なラテン系の主婦マリソルの家族でした。
彼女はなにかにつけ、オットーに接近してきます。たとえ不愛想に追い払われても、です(^_-)
いかにもラテン系!ですよね💚
無理しながら彼女の相手をするうちに、周囲の人たちとも連携ができてしまいます。
静かに暮らしたいだけのオットーにとっては迷惑この上ない、予想外のことだったでしょう。
ここまで来ると、2008年製作「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッドを思い出しますよね。彼の演じる主人公も同じように隣人に悩まされた末に、人間味を取り戻していったのでした💛
オットーの心境の変化は、もしかしたら神様からの「贈り物」だったのかもしれません。孤独に生きるよりも、近くの人々との適度な付き合いがオットーには必要だったのではないでしょうか?
頑迷であるがゆえに、自分に寄りつけないようにバリケードを張り巡らしてきたオットー。マリソルの人の良さが生んだ奇跡のように感じます。
なんだかんだ言っても、やっぱり人は孤独では生きていけない、「生きていってはいけない」と思います。人との触れ合いがなければ寂しいですし、年の取り方も人生も色褪せていくのでは?とつくづく思いました。
無理しない程度の距離感をしっかり持って、社交生活を楽しみたいですね(^-^)
Title
エッフェル塔 創造者の愛
2023.3.3公開
フランス・ベルギー・ドイツ合作
Staff
監督/マルタン・ブルブロン
製作/バネッサ・ファン・ザイレン
Cast
ギュスター・エッフェル:ロマン・デュリス
アドリエンヌ・ブールジュ:エマ・マッキー
アントワーヌ・ド・レスタック:ピエール・ドゥラドンシャン
クレール:アルマンド・ブーランジェ
ギュスターブの同僚:アレクサンドル・スティガー
アドリエンヌの父:ブルーノ・ラファエリ
Story
エッフェル塔が生まれるまでの紆余曲折を描きます。
高名な建築家のエッフェルは自分が本当にやりたい仕事である地下鉄の実現を先送りし、時代が求めているパリ万博に照準を合わせた”塔”の建設に動きます。
そこには、当然ながら膨大な試練が待ち受けていました。フランスと自分の威信をかけて塔建設に挑むエッフェルの姿には胸に迫るものがあります。
友人の妻との秘めた愛も絡み、壮大な実験ともとれる塔を作りあげなければならないプレッシャーはいかほどだったでしょう?
こんな「偉人」が存在するからこそ、世界中の名建築が生まれたのですよね(^-^)
アドリエンヌ役のエマ・マッキーは、2022年公開の「ナイル殺人事件」では、主人公リネットの夫の元婚約者のジャクリーンを妖艶に演じていました。
これからの飛躍が楽しみな女優です。
Title
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
2023.3.3公開
アメリカ映画
Staff
監督/ダニエル・クワン
製作/ジョー・ルッソ他
Cast
エヴリン・ワン:ミシェル・ヨー
ジョイ・ワン/ジョブ・トゥバキ
ウェイノンド・ワン:キー・ホイ・クァン
ビッグ・ノース:ジェニー・スレイト
チャド:ハリー・シャム・Jr.
ゴンゴン:ジェームズ・ホン
ディアドラ・ボー・ベアドラ:ジェイミー・リー・カティス
ベッキー・スリガー:タリー・メデル
Story
奇想天外&支離滅裂なストーリーで、今年度のアカデミー賞を席巻した作品。
ミシェル・ヨーが見事、アカデミー賞主演女優賞を獲得しましたね!
この日を待ち望んだファンもたくさんいらっしゃると思います。私もその1人です(^^♪
彼女の出演作は必ず観にいきます。
変わりばえのしない地味な主婦のエヴリンは、コインランドリーの経営者。夫と老いた父、素直さのない娘に囲まれて疲弊しきっているにも関わらず、経営難から税金滞納の知らせまで受け、役所に相談に赴きます。
そこで未来(別の宇宙/ユニバース)から来た夫に出会ってしまったことからアワワ・・・の展開に引きずりこまれてしまいます。
さらに、別の並行世界(マルチバース)なるものまで現れ、様々な自分と対面しながら、全宇宙にカオスをもたらす絶対悪との戦いに身を投じることになってしまいます。
とにかく、「何が何だか分からない」展開は、ついていけないほどの混乱した世界観でした(*'▽')
「誰がこんなストーリーを考えついたのか?」と頭をひねりながら観ていただけの私・・・
強大な悪はなんと、わが娘!!
その強さに圧倒されながらも、夫と力を合わせて戦い続けるエヴリンでした。
いくつもの自分の分身?との協力体制により、次第に強い自分に目覚めていくエヴリン。カオスってこういうものなんですね~💚💛
いつもの”凛”とした姿からは想像できない「素」に近いミシェルと出会えたような気がします。
Title
ブラックライト
2023.3.3公開
オーストラリア映画
Staff
監督/マーク・ウィリアムズ
製作/マーク・ウィリアムズ他
Cast
トラヴィス・ブロック:リーアム・ニーソン
ミラ・ジョーンズ:エミー・レイバー=ランプマン
ダスティ・クレイン:テイラー・ジョン・スミス
ガブリエル・ロビンソン:エイダン・クイン
Story
フィクサーとして窮地に陥ったFBI秘密捜査官の救出を請け負うエージェントのトラヴィスは、ガブリエルFBI長官とも旧知の仲。
逆に言えば、長官の命令は絶対なのです。しかし、潜入捜査に就いていた矢先に、FBIの隠された陰謀へと導かれていきます。
そこには「オペレーション・U/ユニティ」という極秘プログラムが存在することに気付きます。
政府の仕事とされているFBIの闇を暴く目的を遂行するトラヴィスに魔の手が忍び寄り、愛する娘と孫の身に危険が迫ってくるのでした。
またしてもリーアムのアクション映画が炸裂します!!
何を演じてもさまになる彼の雄姿を見届ける至福感を体験できる作品です♪♪
Title
フェイブルマンズ
2023.3.3公開
アメリカ映画
Staff
監督/スティーブン・スピルバーグ
製作/クリスティ・マコスコ・クリーガー他
Cast
ミッツィ・フェイブルマン:ミシェル・ウィリアムズ
バート・フェイブルマン:ポール・ダノ
ペニー・ローウィ:セス・ローゲン
サミー・フェイブルマン:ガブリエル・ラベル
ボリス伯父さん:ジャド・ハーシュ
レジ―・フェイブルマン:ジュリア・バターズ
ナタリー・フェイブルマン:キーリー・カルステン
Story
映画界の巨匠・スピルバーグ監督の原体験をつぶさにとらえた珠玉の物語。
技術者として成功している父と、明るく愛情深い母に育てられた少年サミーは、姉妹とともにすくすくと育っていきます。
母から贈られた8mカメラを駆使し、自分の夢へと邁進していくサミーでした。
撮影対象は身近な家族と友人たち。時には撮影チームを率いて映画づくりを楽しみます。
彼らの傍らには父の同僚のペニーが寄り添い、もう1人の家族として認知されています。
父の栄転に伴い、アリゾナからカリフォルニアの転居先でも新たな挑戦を続けるサミーでしたが、転校先でユダヤ人という理由で一部の男子生徒たちから目を付けられてしまいます。
それでも学校の行事の撮影が話題を呼び、自信を取り戻していくのでした。
そのかたわら、サミーは母の元気がなくなってきていることに不信感を抱くのですが、あるビデオから真相を悟ります。複雑な人間関係に直面したサミーたちでしたが、それでも人生は続いていくのですよね(*'▽')
大学進学を果たしたサミーの映画への情熱がいまだ消えることはなく、大手テレビ会社からのオファーに応える決意をして、映画監督への道が開かれていくのでした。
Title
METライブビューイング2022.23 ジョルダーノ「フェドーラ」
上映期間:2023.3.3~3.9
2023.3.3公開
アメリカ映画
Staff
指揮/マルコ・アルミリアート
演出/デビッド・マクビカー
作曲/ウンベルト・ジョルダーノ
Cast
フェドーラ:ソニア・ヨンチェヴァ
ロリス・イパノフ:ピョートル・ベチャワ
オルガ:ローザ・フェオラ
デ・シリエ:ルーカス・ミーチェム
Story
ロシア皇女フェドーラは愛に苦しめられる宿命の女性。
結婚前夜に婚約者であるウラディミール大尉の屋敷を訪れるも、彼が何者かに暗殺されたという一報が飛び込んできます。
その殺人者として疑われたロリス・イパノフ伯爵への疑惑を確かめようと彼に近づくフェドーラ。
事実が判明し、婚約者を殺害したのを知りながらもいつしかロリスへの愛に目覚め、2人でスイスに逃れます。
しかし、事件への関与を疑われたロリスの弟が監獄死を遂げ、母親も急死するという事件が立て続けに起こり、つかの間の幸せは終わりを告げます。
運命に見放されたフェドーラがたどる悲劇が胸を打ちます。
Title
ルネッサンスの巨匠 ラファエロのすべて
2023.3.3公開
イギリス映画
Staff
監督/フィル・グラブスキー
Story
スクリーンで上映する「アート・オン・スクリーン」のシリーズ第3弾。
誰もが知る天才画家ラファエロの軌跡をたどる作品。
2020年にローマで開催された「ラファエロ展」のドキュメンタリー映画が日本にやってきました。
美術愛好家であればぜひとも観たいですよね(^-^)
ルネッサンスの3大巨匠と言われるミケランジェロと同じく彫刻家であったラファエロですが、37年の生涯を閉じた早逝の芸術家でした。
この時代の画風は教会の威光を反映した「聖人画」が盛んだったようですね。
その主題の美しさは、教養がない人々をも魅了する「見える聖画」として教会の権威とも相まって、当時にはなくてはならない神聖な訓示の役割も果たしていたと思われます。
あの「聖母子像」もそういう流れを汲み、静謐な静けさを表現しています。
キリスト教とは切っても切れない縁は、バチカンの教皇たちからの依頼という形でもたらされ、画家たちは腕を振るう機械が与えられたようですね。
ラファエロの短かすぎる生涯と彼の類まれな才能を回顧する絶好の機会を与えてくれたシリーズに感謝の念を抱きました。
Title
フィッシャーキング 『午前十時の映画祭』
1992.4.4公開
アメリ映画
Staff
監督/テリー・ギリアム
製作/デブラ・ヒル他
Cast
ジャック・ルーカス:ジェフ・ブリッジス
パリ―:ロビン・ウィリアムズ
リディア:アマンダ・プラマー
アン:マーセデス・ルール
Story
人気のあるラジオDJ・ジャックが過激な言葉を発したためにリスナーが暴走し、バーで銃乱射事件を起こします。
事件を重くみたジャックは、3年間の自粛生活の末にかつての栄光も消え、色褪せた生活を余儀なくされていました。
そんな彼を救ったのは恋人のアン。彼女が経営するビデオショップを手伝い、そこでの居候生活。
すっかり落ちぶれ、将来への希望すらも見えないジャックは、ある日見かけたパリ―というホームレスの男になぜか魅かれていきます。
支離滅裂ながらも時おり知性の煌めきの片りんを見せるパリ―とはいったい何者なのか?
「聖杯」を探すことに熱中するパリ―に引きずられ、彼の妄想の世界に入っていくジャックの身に起こることとは?
余談ですが、ロビンはこの映画以降、自分が出演する作品にホームレスたちを参加させる契約を結んでいたということでした。
ロビンの優しいエピソードですね💚
Title
仕掛人・藤枝梅安
2023.2.3公開
日本映画
Staff
監督/河毛俊作
エグゼクティブプロデューサー/宮川包朋之
Cast
藤枝梅安:豊川悦司
彦次郎:片岡愛之助
おもん:菅野美穂
与助:小野了
おせき:高畑淳子
津山悦堂:小林薫
石川友五郎:早乙女太一
羽衣の嘉兵士衛:柳葉敏郎
おみの:天海祐希
Story
池波正太郎原作「仕掛人・藤枝梅安」の映画化第1弾。
表の顏は腕が良く、親身になり庶民を助ける鍼医者。裏の顔は冷酷な「請負い殺し屋」である梅安。
今回舞い込んだのは、料理屋のおかみの殺害でした。無能の主人に代わり、店を繁盛させているおみのの素顔とは?
梅安が協力者として重宝するのは、吹き矢を武器とする同じ仕掛人・彦次郎でした。数奇な運命で結ばれた2人は数々の仕事を重ね、絶対的な同志としての信頼関係にあります。
料理屋の視察に訪れた梅安は女中のおもんと出会い、親密なつながりを築いていきます。
仕掛けを依頼する側と受ける側との駆け引きが、その隠された世界の暗部を浮き上がらせ、「こんなことが実際に行われていたのかも…」と思わせる臨場感を生み出します。
梅安とおみのの切ない過去が蘇り、胸が熱くなりました。
唯一の慰めは、高畑淳子さん演じる梅安の家の切り盛りをするおせきさん。彼女の地に足をつけた振る舞いが人情を感じさせ、「あぁ、実社会に戻れた…」という安堵感を与えてくれます(^^♪
Title
#マンホール
2023.2.10公開
日本映画
Staff
監督/熊切和嘉
原案・脚本/岡田道尚
Cast
川村俊介:中島裕翔
工藤舞:奈緒
加瀬悦郎:永山絢斗
Story
社長令嬢との結婚式前日。パーティを開いてくれた職場の同僚との会食後に、まさかのマンホール落ちに見舞われた男の、まさに「転落の人生」の幕が上がります。
優秀な営業マンとして周囲も羨む俊介でしたが、ついつい深酒をしてしまった結果、自宅への帰り道でなぜか蓋が開いていたマンホールに落ちてしまいます。
全身をしたたかに打ち、薄暗い底で助けを待つのは容易ではないことはわかっています。
頼りになるのは、手元のスマートフォンだけです。警察に通報しても現在地すら分からない状態ですが、俊介の脳裏に閃いたのは、元カノ・舞の存在でした。
無事に舞に連絡がつき助けを求めます。しかし、それだけでは確実な救助には至らない不安な俊介は「マンホール女」というアカウントを使い、ネット上での助けを求めるのですが・・・
自分がどこにいるのかさえもわからず、明日の結婚式に間に合うように救助されなかったら?という極限の窮地に立たされた俊介でしたが、そこには過去の亡霊がうごめいていたのです。
Title
湯道
2023.2.23公開
日本映画
Staff
監督/鈴木雅之
脚本・企画/小山薫堂
Cast
三浦史朗:生田斗真
三浦悟朗:濱田岳
秋山いづみ:橋本環奈
横山正:小日向文世
小林良子:天童よしみ
竜太:クリス・ハート
高橋瑛子:戸田恵子
高橋大作:寺島進
Story
東京で建築家として成功している史朗は、故郷に残る銭湯「まるきん温泉」に帰ってきます。
そこでは、弟の悟朗が細々と昔ながらの経営を続けていました。
吾朗を助けているのはいづみ。明るく働き者の彼女に支えられ、自分の使命として銭湯を守り抜く五朗を前にした史朗は、老築化した「まるきん温泉」をつぶしてマンションに建替えることを提案するために帰郷したことを明かします。
五朗はそんな身勝手な史朗を完全に無視します。銭湯を見捨て、吾朗に任せきりだったことが兄弟間の疎遠の理由になっていたのでした。
マンション建替えのプロジェクトは、実は史朗の起死回生の策略でした。建築家として独立はしたものの下降気味の運営の立て直しへの強力な足掛かりとしての目論見だったのです。
すでに、現地の関係者とのすり合わせも済ませており、残るは反対するであろう吾朗の説得だけでした。
そんな不穏な空気が充満する「まるきん温泉」は、常連たちが集まる憩いの場です。お風呂好きな面々が日々訪れ、心身の汗を流す交流の拠り所となっていました。
常連の1人の横山は、長年勤めた郵便局の定年退職を控え、趣味の「湯道」を究めようと自宅に檜風呂を発注するほどの粋人。湯道会館で学び、その世界へと邁進する決意を固めているのですが、妻と娘たちにはその計画を話せないまま今日まできてしまいました。
五朗の頑なな反対でマンション計画は頓挫するなか、ボイラー室でのボヤが発生し、怪我をした五朗が入院。「まるきん温泉」は窮地に立たされます。
兄弟の絆を取り戻さなければ、銭湯の消え去る運命は避けられない状態にまで追い詰められたのです。
Title
逆転のトライアングル
2023.2.23公開
スウェーデン映画
Staff
監督/リューベン・オストルンド
製作/リューベン・オストルンド
Cast
カール:ハリス・ディキンソン
ヤヤ:チャールビ・ディーン
アビゲイル:ドリー・デ・レオン
船長:ウッディ・ハレルソン
ポーラ:ビッキ・ベルリン
ヤルモ:ヘンリック・ドーシン
ディミトリ:ズラッコ・ブリッチ
テレサ:イリス・ベルベン
ネルソン:ジャン=クリストフ・フォリー
Story
楽しいはずの豪華クルーズが突然のカオスへと乗客とスタッフを突き落とすパニックムービー。
モデルとして活躍しているカールは、恋人で人気インフルエンサーのヤヤとともに豪華客船クルーズに招待されます。
同乗者はいずれも富豪ばかり。
デッキに出て、SNSに投稿する写真のためにせっせとポーズをとり続けるヤヤ。
そんな彼らに予想もつかない事態が発生!!客船が難波してしまったのです。
命からがら無人島の浜辺に流れ着いた一行のサバイバルが幕を開けます。
そこでリーダーに踊り出たのが、客船のトイレ掃除係アビゲイルだったのです。
彼女の日頃鍛えた強靭な精神力が、リーダーとして脚光を浴びたのでした。
一行の選択肢は、アビゲイルに逆らうことは命の危険にさらされることがわかっているので、命令には絶対服従することでした。
カールは幸か不幸かアビゲイルに目をかけられ、ヤヤとの距離感も微妙な変化が起こります。
この極限状況のなかで生き残るのははたして誰でしょうか?
Title
アラビアンナイト 三千年の願い
2023.2.23公開
オーストラリア・アメリカ合作
Staff
監督/ジョージ・ミラー
製作/ダグ・ミッチェル
Cast
ジン(魔人):イドリス・エルバ
アリシア:ティルダ・スウィントン
シバの女王:アーミト・ラグム
ソロモン王:ニコラス・アワッド
グルタン:エチェ・ユクセル
ムスタファ皇子:マッテオ・ボチェッリ
スレイマン皇帝:ラッキー・ヒューム
Story
いにしえの、誰もが知るアラビアンナイト物語がティルダ・スウィントンによって蘇ります。
彼女こそこの物語の語り部に相応しい人でしょう。
神話を研究するアリシアは講演先のイスタンブールでガラスの小瓶を買い、恐ろしげな魔人と相対することになってしまいます。
魔人は瓶から出してくれたお礼に、アリシアに3つの願いを求めます。
半信半疑のアリシアが伝えた願いとは?
魔人がアリシアに語り出した自身の歴史がアリシアの人生にもたらす変化も、興味深いもとのなっています。平凡な学者生活を送る普通の女性として生きてきた彼女に、魔人が与えた「愛」が癒しを与えてくれるのでした。
透明感があり、どこか崇高なイメージをまとうティルダの印象(役柄における)がガラリと変わるののを感じる方も多いのではないでしょうか。
荒唐無稽な役柄が得意であるティルダの素の顔に迫るような楽しい経験もできますよね(^^♪
Title
ワース 命の値段
2023.2.23公開
アメリカ映画
Staff
監督/サラ・コランジェロ
製作/マーク・バタン他
Cast
ケン・ファインバーグ:マイケル・キートン
チャールズ・ウルフ:スタンリー・トゥッチ
カミ―ル・バイロス
リー・クイン:テイト・ドノバン
プリヤ・クンディ:シュノリ・ラマナタン
デデ・ファインバーグ:タリア・バルサム
カレン・ドナート・ローラ・ベナンティ
Story
運命のアメリカ同時多発テロで被害者となった人々への代償として政府が提示したのは「補償基金プログラム」でした。
それを実行する特別管理人という重い役目を依頼されたのは、経験豊富な弁護士ファインバーグ。
彼が独自の計算方式で編み出した被害者の「命の値段」が物議をかもし、彼らの反発を招きます。
被害者本人はもとより、遺族や治療中の人々への適切な判断は次第に揺らいでいきます。
それでも政府が補償することに「期限」が設けられ、互いの利害と思惑を乗り越え、対象者である7000人ほどの80%の賛同を得るためにファインバーグ側は奔走します。
特異な事態であるがゆえに、「誰がどうやって個々人の命の値段を付け得るのか?」
という難題に取り組むうちに生じてくる自身への問いかけにも真摯に目を向けざるを得ないファインバーグ。
彼がそれに気づいていく過程が丁寧に描かれます。
20数年経た今でも当時の記憶が生々しく私の脳裏に蘇り、息苦しさを覚えました。
社会の果たす役割というものをあらためて考えさせられました。
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Title
ボーンズアンドオール
2023.2.17公開
アメリカ映画
Staff
監督/ルカ・グァダニーノ
製作/ピーター・スピアーズ他
Cast
リー:ティモシー・シャラメ
マレン:テイラー・ラッセル
サリー:マーク・ライランス
ジェイク:マイケル・スタールバーグ
ジェシカ・ハーパー
デヴィッド・ゴードン・グリーン
Story
新たなヴァンパイア物語ができました。
あのティモシー・シャラメが永遠の哀しき者を体現します。
少女に成長したマレンはある夜、友人のパーティーに招かれますが、予期せぬ人食いの衝動を起こし、父と共に地域からの逃走を余儀なくされます。
唯一の理解者であった父が出征証明書だけを残し姿を消します。
母の記録からミネソタへと向かうマレン。
旅の途中で同族であるサリーという老人と知り合いますが、彼の不気味さと執拗さに辟易し別れを選びます。
やがて、同族の魅力的な青年リーと出会い、ミネソタへと旅を続けるのでした。
つかの間の平穏な時間を過ごすマレンとリーでしたが、運命の糸が導くその先は…?
「美しいティモシーがヴァンパイア!」
と心の中で叫んでしまった私でしたが(*'▽')、彼のあやうい美がまさに現代のヴァンパイアにピッタリ!!
1994年のトム・クルーズとブラッド・ピット主演作「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」が最高傑作だと思いますが、今作も哀しくも美しいヴァンパイア物語として後世に残ると思います💚
サリーを演じたマーク・ライランスにもビックリ!
なんとも言えない雰囲気で魅せるヴァンパイアらしさが妙にはまっていましたが、一方、「どうしてこの役を?」と困惑が消えることはありませんでした(~_~;)
さすがに演技派の彼らしい役柄の選択と言えるでしょうね。